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症例の鍼灸院:ゐろは鍼漢院

腰痛を伴う左肩関節後面の痛み

   

腰痛を伴う左肩関節後面の痛み

症状

鍼灸の症例「腰痛を伴う左肩関節後面の痛み」(我孫子駅)

前の年の秋頃、力仕事をしてから左の肩から腕にかけて痛くなった。

左肩の屈曲(バンザイをする動作)と外転(外側から、肩をあげる動作)、車の運転席から後部座席の荷物に手を伸ばすような動作で痛みが増悪。
痛みのため、左肩を下にして眠る事ができない。

整形外科でレントゲン検査の結果、肩関節周囲炎(五十肩)と診断され、モーラステープを処方されたが、動きも痛みも一向に改善しない。

当院における初診時の動作確認では、上記の動作の他、洗髪動作、結滞動作(背中の帯を結ぶ動作)で左肩関節の後ろ側から、二の腕にかけて痛みが生じる。

【その他の症状と過去の怪我】
五年前、運転中、後ろから追突されそれ以来、常に腰が痛い。15年前、左足第5趾を怪我により、骨折。

  • 来院者

    女性

    40 代

  • 期間

    2019年3月 ~ 2019年3月

  • 頻度

    週2~3回

  • 通院回数

    8回

施術と経過

【初診】
姿勢を確認したところ、歩行時に右足に体重がかかり続けるような体幹のバランスの悪さが観察できた。
また、左腰を触診したところ、異常な堅さを感じた。
体幹のバランスを整える目的で、踵と腰に鍼を行ったところ、その場で肩の動きがスムーズになる。

【2~5診】 
初診で行った処置に加え、脊椎の柔軟性を取り戻す目的で胸椎の際に鍼を行う。
施術後、肩関節後面と二の腕の痛みが軽減していたため、以後同じ処置を5診まで継続。
徐々に肩を動かせる方向と角度が広がり、それと同時に痛みの範囲と強さも軽減していく。

【6・7診】
患者の訴えが肩関節の後面から、左脇と肩甲骨の外側に移動したため、脇の下の筋肉と肩甲骨周辺を緩める目的で下肢のツボに鍼を行う。

【8診目】
6診目の翌日以降、常に痛みを感じていた、腰の痛みを忘れていることに気がつく。
左肩はコリ感と運動時のツッパリ感はあるものの、健康側の右肩と可動域が同じ程度に回復している事を確認。

家庭で行えるストレッチを指導し、一端、施術を終了する。

現在は肩こりと腰痛再発予防のため、1ヶ月に1回程度通院している。

まとめ

肩関節は、人体の中で最も自由に動かすことができる関節である。
そのため、最も不安定で疲労が溜まりやすいデリケートな関節とも言える。
又、長年多くの患者さんを診ていると、肩関節に蓄積する疲労の原因は、肩関節周辺に限らず、足腰の影響が大きいと考えられるケースが少なく無い。

今回の肩関節の症例では、以前より、患者が抱えている腰と下肢の問題から、その原因を考察することで段階的に改善に繋げることができた一例である。

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