風邪がきっかけで発症した耳の詰まりと難聴
症状
２ヶ月ほど前に風邪を引き、両耳で難聴が起こった。左耳は自然に回復したものの、右耳の聴力が戻らなかったため、耳鼻科を受診した。聴力テストを行ったところ、低音部の聴力が低下していた。薬を飲んでいるが改善がみられない。
耳のつまり感や「ボワボワ」した音が気になる。ボワボワ感は一日中感じられ、「心臓の鼓動に合わせて響き、体内の音が聞こえてくる感じ」であるとのことである。仕事に集中していると気にならないが、就寝前など、静かなところでは気になる。
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来院者
女性
20 代
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期間
2020年12月 ～ 2020年12月
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頻度
週2～3回
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通院回数
6回
施術と経過
患者の後頚部や肩、背部に触れてみたところ、広く強い緊張がみられた。首肩の緊張と関係の深い臀部のツボ、足のツボに鍼をして当該の部位を緩めた。
２診目。「やや良くなった気がするが、詰まり感がまだある」とのこと。１診目のツボに加え、背部のツボに鍼をした。
３、４診目。耳の詰まり感が減少してきた。
５診目。耳の詰まり感が少ない日が増え、施術当日もとくに症状がなかった。同様の施術を行った。
６診目。耳はかなり楽になっており、症状がほとんど出ず、出ることがあってもあまり不快ではないとのことなので、ここまでで施術を一旦終了することとした。
使用したツボ
まとめ
耳の症状が強く出ているのに比例して、首肩も強い緊張状態にあった。両者に相関関係があるとの考えのもと、この部位を緩めるために関係するツボに鍼をしている。
腰部、足部など、首肩の緊張を引き起こす部位は全身に分布している。そこを正確に見きわめられるかどうかが施術の成否を分けるといってもよい。
本例は、発症から2か月近くが経過していた。耳の症状への対処という点からすれば、2か月という時間はやや長く、回復に時間がかかることも予想されたが、比較的短期間で大きな成果がみられた例となった。
