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突発性難聴を改善するカギは「顎関節」「鼻炎」「頚・肩こり」にある

鍼灸を始めるタイミングは早ければ早いほどいい

突発性難聴とは、突然耳が聞こえなくなる病気です。めまいや耳鳴、耳のつまりを併発することもあります。耳の血流が悪くなっていると考えられていますが、残念ながら、今現在も詳しい原因はわかっていません。

 

病院に行くと、一般的にはステロイドと血流を改善する薬を処方されます。重度の難聴の場合、入院してステロイドの点滴を受けるケースもあります。

 

聴力の完全回復率は30%ほど。50%の人は何かしらの後遺症が残り、20%の人は聴力の回復が見られないと言われています。

 

突発性難聴の患者さんは発症から2週間ほど経ったタイミングで鍼灸院に来院される方が多い印象です。病院で一通りの投薬治療を終えても症状が回復しない、回復しきらない…どうしよう、何か治療法はないか…と来院されます。

 

突発性難聴の回復は時間との勝負です。病院での投薬治療も、発症から48時間以内に開始するのが理想だと言われています。鍼灸も同様に、始めるタイミングは早ければ早いほど改善する確率は高くなります。

 

突発性難聴の人に共通する身体の特徴

突発性難聴の患者さんを数多く診る中でわかってきたのが「顎関節」「鼻炎」「頚・肩コリ」が耳の症状に関係している、ということです。

 

「顎関節」は耳のすぐ近くにあります。歯ぎしりや食いしばり、顎関節症など顎のトラブルは耳に影響を及ぼします。

 

試しに、耳の穴に人差し指を突っ込んで(そっとですよ)、口を開けたり閉めたりしてみてください。顎の骨が動くのがわかるでしょうか?「顎には問題ありません」という患者さんでも、顎の動きがスムーズでない場合があります。

 

「鼻炎」が耳の症状に関係しているのは、耳と鼻が耳管という管を通してつながっているからです。

参照記事:突発性難聴難聴・耳鳴ーはりきゅうルームカポス

 

鼻を良い状態に保つことも、耳の回復をうながすために欠かせません。こちらも顎関節と同様に、患者さん自身には自覚症状が無い場合があります。

 

「頚・肩こり」は顎関節や鼻炎と密接な関わりがあります。特に頚の横から肩の上につながるライン(側頚部と肩上部)は顎関節とつながっているので、コリを緩めておく必要があります。また、鼻炎の方に特徴的な肩こりを緩めておくことも重要です。

 

突発性難聴は何かしらの原因で耳の奥の組織の血流が悪くなってしまい、回復力が低下している状態だと考えています。全身の血流をうながすのも良いのですが、耳に対する効果がぼやけてしまいます。耳周辺の組織、特に耳の奥に対してよりピンポイントに、より集中的にアプローチすることが回復のカギです。

 

「顎関節」「鼻」「頚・肩コリ」にアプローチできるツボは、必ずしも顎や鼻、頚肩にあるわけではありません。むしろ手や足など遠隔のツボが効果的なケースが多くあります。

 

突発性難聴になったら…まずは耳鼻科で聴力検査

耳鼻科に行くと、診察と同時に聴力検査が行われます。その際に、聴力検査表(オージオグラム)という紙をご覧になったでしょうか。

 

参照記事:耳が全く聞こえない、常に耳鳴りがしているーツボネット

 

オージオグラムの見方がわからない方は、こちらの記事をご覧ください。

参照記事:オージオグラム(聴力検査表)の見方を説明します

 

当院では、施術を受けていただく際にはオージオグラムを持参していただくようお願いしています。オージオグラムを見ることで、客観的な耳の状態がわかり、施術の助けとなるからです。

 

基本的には病院から無料でもらえますが、稀に「検査結果をください」と言わなければもらえないケースもあるようです。

 

その際は「自分の耳の状態を把握しておきたいので、オージオグラムのコピーをもらえますか」とお願いしてみてください。

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